機械構造用鋼＆工具鋼TOOLOX技術資料

　機械構造用＆工具鋼（金型鋼）TOOLOX（ツーロックス）の特徴

TOOLOX（ツーロックス）は、SSABスウェーデンスティール社が製造されたプリハードン鋼の機械構造用＆工具鋼（金型鋼）です。
熱処理されたTOOLOXは、すぐに使用可能な状態で届けられ、熱処理や調整が不要なため、そのまま仕上げ加工に取り掛かることができます、お客様の手配時間や手間及びコストの節減につながります。
予硬化鋼として世界一の硬度を誇るTOOLOXは優れた硬度と強靭性を持つだけではなく、優れた疲労抵抗性、耐高温性、機械加工性、寸法安定性、研磨性、表面処理可能性、良好な熱伝導性も兼ね備えています。金型と高性能機械部品使用時に求められる鋼板の作業性や厳しい技術的性能の要件を満たし、限りない用途に柔軟性をもたらします。

機械構造用＆工具鋼（金型鋼）TOOLOX（ツーロックス）の特徴：

100％高純度の鉄鉱石（スクラップを一切使わずキルナ鉱山の高純度鉄鉱石）を使用

芯部まで均一な強度と硬度をもつ微細粒組織の高衝撃靭性

硬度は高いですが粘りがあり、同等の硬度を持つ鋼板の2～3倍の強靭性

優れた耐摩耗性・亀裂抵抗性、優れた疲労特性と強靭性により製品の寿命を伸ばす

極めて清浄度と純度が高い、偏析ほぼゼロ、ESR品質素材に相当、超清浄度により、亀裂はまず表面に現れる

優れた基盤靭性、表層にわずかな亀裂が生じても、基盤に伝播する可能性はほとんどない

介在物含有量の極めて少ない純金属ので、優れた研磨性を持ち、表面仕上げAクラスの光沢を出せる

優れた削切性と補修性（生産性向上とメンテナンス容易・低減）

炭化物含有量が低く、作業場では扱いやすい、優れた機械加工性を有す（約15％～20％アップ）

残留応力が極めて少ない為、優れた形状・寸法の安定性を有す、強機械加工後も応力除去は不要

高温度（590℃）までも高い硬度と強靭性を維持する事が可能

表面処理性良好（鏡面、シボ、窒化、PVD処理）、58～65 HRCの硬度を実現することが可能

優れた熱伝導性、冷却時間の短縮と工具の寿命向上

同等の硬度を持つ従来の工具鋼に比べて熱切断や溶接が容易、研磨、テクスチャリング、放電加工に最適

高い強度を持ち、プラスチックやゴム、ダイカスト、曲げ、シート成形工具等に最適

摩擦パーツやガイドレール、ホットアプリケーション等の機械部品にも最適

３鋼種で10鋼種以上カバー

TOOLOX（ツーロックス）の特徴のカタログはコチラ

動画で機械構造用＆工具鋼（金型鋼）TOOLOXの特徴をご紹介：

★この動画はSSAB社のホームページより転載

機械構造用＆工具鋼（金型鋼）TOOLOXは優れた硬度と強靭性を持つだけではなく、優れた疲労抵抗性、耐高温性、機械加工性、寸法安定性、研磨性、表面処理可能性、良好な熱伝導性も兼ね備えています。
熱処理されたTOOLOXは、すぐに使用可能な状態で届けられ、熱処理や調整が不要なため、そのまま仕上げ加工に取り掛かることができます。

　機械構造用＆工具鋼TOOLOX(ツーロックス)と代表的な工業用鋼材機械性質の比較

SSABスウェーデンスティール社の機械構造用＆工具鋼（金型鋼）TOOLOX（ツーロックス）は純度の高い原材料、独自の焼入れ工程、バランスのとれた合金の組合せにより、素晴らしい鋼材が出来ました。

また、TOOLOX（ツーロックス）は厳しい品質基準に基づいて製造されているため、強力な機械的特性が測定され、保証されています。信頼できる高品質を保証することができます。

機械構造用＆工具鋼（金型鋼）TOOLOX（ツーロックス）機械性質：

引張強さ（Mpa)

　　TOOLOX44 引張強度： 1450Mpa
　　TOOLOX40 引張強度： 1260Mpa
　　TOOLOX33 引張強度： 980Mpa

降伏強さ（Mpa)

　　TOOLOX44 降伏強度： 1300Mpa
　　TOOLOX40 降伏強度： 1150Mpa
　　TOOLOX33 降伏強度： 850Mpa

硬度（HBW)

　　TOOLOX44 硬度： 440HBW
　　TOOLOX40 硬度： 390HBW
　　TOOLOX33 硬度： 300Mpa

衝撃値（J)

　　TOOLOX44 衝撃値： 30J（20℃）
　　TOOLOX40 衝撃値： 38J（20℃）
　　TOOLOX33 衝撃値： 100J（20℃

使用温度上限（℃)

　　TOOLOX44 590℃
　　TOOLOX40 590℃
　　TOOLOX33 590℃

TOOLOX（ツーロックス）と代表的な工業用鋼材機械性質比較の詳しくはコチラ

　機械構造用＆工具鋼（金型鋼）TOOLOX（ツーロックス）の丸棒

SSABスウェーデンスティール社は、板材だけでなく、耐摩耗鋼丸棒の生産を始めました。

HARDOXのブランドを引き継いだHARDOX400丸棒と機械構造用鋼として開発された TOOLOX44丸棒及びTOOLOX40丸棒が、ラインアップされました。

機械構造用＆工具鋼（金型鋼）TOOLOX（ツーロックス）丸棒の特性：

２種類のTOOLOX の丸棒

　　TOOLOX44丸棒ブリネル 440 (HRC47)
　　TOOLOX40丸棒ブリネル 400 (HRC43)
　　事前に熱処理を済ませ、均一な硬度と強度を維持しています。590℃までの温度領域で使用可能です。

高強度

　　TOOLOX44丸棒引張強度： 1450Mpa；降伏強度： 1300Mpa
　　TOOLOX40丸棒引張強度： 1260Mpa；降伏強度： 1150Mpa
　　普通鋼の２～３倍の強度を有しています。

高硬度（HBW)

　　TOOLOX44 硬度： 440HBW
　　TOOLOX40 硬度： 390HBW

高い衝撃靭性

　　TOOLOX44丸棒　30J（20℃）
　　TOOLOX40丸棒　38J（20℃)
　　高い硬度と強度で且つ衝撃吸収性が高い。

高い表面処理性

　　ガス窒化/PDVコーティングで表面硬度1000HVまで硬度を上げる事が出来き、その結果、耐摩耗性と耐腐食性を向上させる事が出来ます。

多彩な用途

　　TOOLOX丸棒とHARDOX丸棒の登場で、従来は板材から製作していた部品も丸棒から直接製作が可能となります。この２種類の耐摩耗丸棒で、お客様の使用用途に応じて鋼材選択する事で、幅広い用途に活用出来る可能性が広がります。

耐摩耗鋼丸棒TOOLOXの詳細ページはコチラ

TOOLOX（ツーロックス）丸棒の規格表はコチラ

TOOLOX（ツーロックス）丸棒アプリケーションの詳しくはコチラ

HARDOX（ハールドックス）丸棒とTOOLOX（ツーロックス）の丸棒の詳しくはコチラ

TOOLOX（ツーロックス）の丸棒資料の詳しくはコチラ

　機械構造用＆工具鋼（金型鋼）TOOLOX（ツーロックス）の応用事例

TOOLOXは残留応力を極限まで減らしたプリハードン鋼です。高強度、高硬度ながら切削性が良い鋼材です。

また、機械加工後の熱処理が不要な為、時間の節約になります。金型、ダイスだけではなく、機械部品にもよく利用される。又、590℃までの温度領域まで硬度を維持出来る為、耐熱の耐摩耗鋼としての代替が可能です。

機械構造用＆工具鋼（金型鋼）TOOLOX（ツーロックス）の応用事例：

成形用ツールシャフト	押出用ダミーブロック
位置決めバー	伝送コンポーネント
ツールホルダー	アプセットツール＆マンドレル
キャビティインサート	ピストンピン
トラック車軸	車軸部パーツ
歯車	ラック
ガイドローラー	水門ピボットキャップ
連結棒	エジェクタ　ピン
車軸	刃座
プレスブレーキツール	窒化したせん断刃物
油圧部品	ピストンロッド
アルミニウム押出ダイス	バルブ鍛造金型
金型コンポーネント	抜き型
プラスチック用金型	冷間加工用金型
鍛造金型	精密機械部品

機械構造用＆工具鋼TOOLOX（ツーロックス）の応用事例の詳しくはコチラ

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by 耐摩耗鋼板HARDOXを活用した移載装置｜株式会社共和工業所